グルジェフ世界紀行

Gurdjieffian Landscape

 

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エチミアジン ポゴジャンとの出会いと
組織化された宗教への幻滅

Etchimiadzin


私はあいも変わらず超自然的現象をめぐる疑問への答えを求めてエチミアジンに行こうとしていた。その方面での私の関心は衰えていないばかりか、いっそう強まってさえいた」

 

エチミアジンは最古のキリスト教会であるアルメニア教会の大本山である。グルジェフはエチミアジンに行く前にも、サナイン修道院(今では世界遺産に登録されている有名な修道院)で著名な長老に弟子入りするなどして、キリスト教の秘められた側面に関心を向けていた。エチミアジンでグルジェフはポゴジャンと知り合い、親友となる。彼はエチミアジンの神学校で学び、卒業を間近にしていたが、聖職者の仲間入りをする気にはなれないでいた。

 

「彼自身、宗教性を帯びた人間だったが、彼は自分を取り巻く環境に対してとても批判的で、自分の理想とは正反対のように見える聖職者の群れのなかで生きるということに、強い嫌悪感を覚えていた」

 

グルジェフはポゴジャンの案内でエチミアジンを探索し、宗教的権威とみなされる人物らと問答をする機会も得るが、やがて幻滅し、エチミアジンを去って、チフリス(トビリシ)へと向かう。ポゴジャンもグルジェフを追ってエチミアジンを離れる。

 

「エチミアジンでの滞在で、私は自分が探していたものを見つけることはできず、ここでそれは見つからないのだと納得するために必要な時間を過ごした後、私は深い幻滅を胸にそこを去った」

 

(グルジェフ『注目すべき人々との出会い』第五章)

 


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©Plavan N. Go, 2018  HOME